建築のコト

設計で大切にしていること。ep.2-2

前回のブログに引続き、性能についてのお話しです。

3つ目に大切にしていることは換気について。

換気については建築基準法で定められていて、必要換気量を計算して提出しなければなりません。その換気を怠ると一酸化•二酸化炭素,カビ,ダニ,ハウスダストなどの汚染物質が室内に溜まり続けます。

また冬に窓の結露の原因にもなり、処理を放置するとカビに汚染された空気を体内に取り込んでいる事になります。しかし、冬場は窓を開けて換気するとエアコンで温めた空気を逃がす事になり、定期的に換気される方が少ないのが現状です。

冬場の寝室は、寝る人数が多いほど湿度が高く特に結露し易い環境となり、湿度が高いと言うことは布団や衣服が湿気を吸いカビが生えたりします。現在お住まいになられている方もこの現象に悩まされている方が多いのではないのでしょうか。最近は家の気密性も上がって来て隙間風も無い状態なので、換気を怠ると気密性が良すぎる故に結露の原因にもなっています。

「換気はしたいけど、寒い空気は入れたくない。」と誰もがこう考えますので、これから新築を建てられる方やリノベーションをお考えの方には熱交換型の換気システムを推奨しております。このシステムは寝ている時も外出している時も適温で外の綺麗な空気を室内に取り込み、室内の汚れた空気を排出してくれます。また花粉やPM2.5などの外部汚染物質もカットしてくれます。

もちろん初期費用は必要ですが、365日×35年(住宅ローン期間)で少なくても12,775日、家族が健康に住まう事を考えれば決して高い買い物ではないです。

4つ目はパッシブデザインについて。

これは簡単に言うと、太陽熱や太陽光,風などの自然エネルギーを利用することです。主には太陽光の夏の日射遮蔽と冬の日射取得が重要となってきます。

屋根の軒を出して、夏の日射を遮蔽し、南には落葉樹(冬には葉を落とす)を植えて木陰を創ります。

冬は太陽の角度が低くなるので室内奥深くまで日射を取得し、太陽熱で室内を温めます。

今年は10月中旬になっても30℃近い夏日となっています。太陽の角度が低くなるにも関わらず暑い日差しが室内深く入り込んでいましたので改めて設計提案を変えないといけないと実感しています。

また今日は外気温が16℃にも関わらず、太陽熱のおかげで室内が26℃もあったので家族は半袖で過ごしていました。

この様に自然エネルギーをうまく取り入れる事で、環境に優しい家になって家族みんなが健康な生活が出来る様に心掛けて設計しています。

外観や内装の設えも確かに大切ですが、一つに偏ることなく意匠と性能のバランスが大切だと考えています。

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