MESSAGEにも書かせて貰っているのですが、設計で大切にしていることが3つあります。今回は1つ目のデザインについて。
建築のデザインは外観、内観、外構と大きく分けると3つあります。
ただこの3つは繋がっていて、繋がりを深く考えれば考えるほど良い建物が出来上がります。
内部から外を眺めて心地よさを感じる為に、窓の在り方や植栽の配置を考える。
窓の配置は外観に大きく影響しますし、植栽があると外観も美しく見えます。
内部からの見え方と外観のバランスを考えながら、窓の大きさや位置を決めるのに平面図と立面図を行ったり来たりを繰り返します。
①外観の大事な要素として屋根の掛け方は重要で、屋根の魅せ方で全てが決まるとも言われています。
屋根(軒とケラバ)はしっかりと出して、水平ラインを強調することを大切にしています。
屋根の向きは建物の奥行きや太陽光搭載など方位によっても変わりますが、自然エネルギーとして太陽光や太陽熱利用を推奨されている為、軒先を南面とした方が売却の際に資産価値が高いと聞いたことがあります。
我が家も南面の屋根に6.96kWのOMソーラーを搭載している為、写真の様な屋根となっています。(建物正面は東面)
ちなみに屋根が出ている家と出ていない(キューブ型や箱型)では雨漏れのリスクが5倍になると住宅雑誌で特集されていました。屋根が出ていないことで外壁が雨垂れで汚れたり、夏の日差しを遮れなかったりと住み始めてから気づくデメリットも多いのではないでしょうか。
あと建物を低く建てたり、道路からセットバックさせると全体が綺麗に見えるのでそこも心掛けて設計しています。
②内観については先ずは外部を室内に取り入れること。まだ何もない敷地に立ってどこの方向に心地よさを感じるか、心地よさを感じる方向に窓を設けます。窓も数多く使うのではなく、景色を切り取りたい箇所と光を入れたい箇所に限定して余白(壁)を残すことを意識しています。
外部を取り入れると同時に外部からの視線の遮り方も考慮します。我が家は南側が公園で沢山の子供達や家族が集まるので板塀で視線はカット。日中はレースを開けて生活できるのが理想ですね。
内装には基本無垢材や塗壁など自然素材を使い手触りや空気環境(湿度コントロール)を大切にして、室内の天井高さと照明計画にも拘り、朝でも夜でも心安らぐ場所を設計します。
リビングやダイニング・キッチンにも造作家具を設てタイルや取手にもお気に入りを見つけていくのも家づくりの楽しみの一つです。
③外構は最後の工事とあって予算の兼ね合いでされない方もいらっしゃいますが、植栽を植えるだけでも外観の印象は全然違います。むしろ外構にお金を掛けた方が見栄えが良かったりします。
リビングやダイニングの側にウッドデッキを設けて今の時期おうち時間を楽しんだり、季節を感じる植栽を植えたり、街の人に緑をお裾分けしたりと日々の暮らしに豊かさを与えてくれるのが外構です。
手入れが大変そうと思われて、確かに手入れは必要ですが住まわれて庭いじりが趣味になる人も多いです。暮らしてから1年、私もその内の1人です^^
この3つを踏まえて、トライアングルに行ったり来たりを繰り返しながら建物をデザインしていきます。
設計のお仕事で一番楽しいところでもあり、数日間どうしようと頭を悩ますところでもありますね^^
次回は2つ目の性能についてご紹介させて頂きます。